寒くなってくると、電気毛布をつけたまま寝てしまいます。朝までぬくぬくで気持ちいい。
ただ、ふと気になります。一晩つけっぱなしで、電気代はいくらかかっているのか。そして、そもそもつけたまま寝ていいのか。
先に答えを書くと、電気代は大きな負担になりにくいです。毎晩8時間使う前提なら、1か月でも数百円で収まります。ただし切ったほうがいい理由が、電気代とは別にあります。
先に結論:安いけれど、寝るときは切る
- 電気代は一晩で約8円。毎晩8時間で1か月230〜450円ほど
- それでも就寝中はスイッチを切るのが、国の機関が示している使い方
- 理由は低温やけど。「強」の表面温度は50℃を超える製品がある
- 寝る前に温めておいて、寝るときに切る。これで両方が解決する
一晩つけっぱなしで、いくらかかるのか
電気毛布の本体に書かれている「消費電力75W」のような数字は、定格です。常にその電力を使い続けるわけではありません。
設定した温度になると自動で切れて、下がったらまた入る。この繰り返しなので、実際に使う電力量は定格よりずっと小さくなります。
メーカーが公表している1時間あたりの消費電力量を見ると、差がはっきりします。
| 設定 | 1時間あたり | 8時間の電気代 |
|---|---|---|
| 強 | 45〜60Wh | 約11〜15円 |
| 中 | 31〜33Wh | 約8円 |
| 弱 | 6〜15Wh | 約1.5〜4円 |
山善とパナソニックの公表値をもとに、1kWhあたり31円(家電公取協の目安単価)で計算した目安です。機種によって変わります。
1時間あたりで見ると、中設定で約1円です。エアコン暖房は部屋の広さや外気温で大きく変わりますが、1時間で20円前後かかることもあります。同じ1時間で比べても、電気毛布は電気代を抑えやすい暖房です。
1か月では、中なら230〜250円ほど、強でも330〜450円ほどになります。
暖房器具ごとの電気代は暖房器具の電気代はどれが安い?で比べています。電気毛布は、そのなかでも電気代を抑えやすい部類です。
それでも「就寝中は切る」が推奨されている
電気代が安いなら、つけっぱなしでよさそうに思えます。ただし製品評価技術基盤機構(NITE)は、電気毛布の使い方としてこう呼びかけています。
温度調整を上手にしましょう
就寝中はスイッチを切って眠りましょう
理由は電気代ではありません。低温やけどです。
低温やけどは「熱い」と感じない温度で起きる
NITEは、低温やけどになるまでの目安をこう示しています。
| 温度 | 低温やけどになるまで |
|---|---|
| 44℃ | 3〜4時間 |
| 46℃ | 30分〜1時間 |
| 50℃ | 2〜3分 |
ここでメーカーの公表値と突き合わせます。電気毛布の「強」の表面温度は、51〜52℃と公表している製品があります。
| 設定 | 表面温度の例 |
|---|---|
| 強 | 約51〜52℃ |
| 中 | 約36〜40℃ |
| 弱 | 約23〜30℃ |
「強」の表面温度が50℃を超える製品では、長時間同じ場所に当たり続けると、低温やけどのリスクが高くなります。眠っている間は熱さに気づきにくいので、就寝中は切る使い方が無難です。
低温やけどは「熱い」と感じにくいのが厄介なところです。じんわり温かい程度でも、同じ場所に長く当たり続けると起こります。
寝る前に温めて、寝るときに切る
現実的なのはこの使い方です。
- 寝る30分前にスイッチを入れる。布団の中を温めておく
- 布団に入るときに切る、または「弱」に落とす
- 温まった布団は、しばらく熱を保つ
これで布団に入る瞬間の寒さをやわらげつつ、寝ている間の低温やけどリスクも下げられます。電気代もさらに下がります。
どうしても朝まで使いたい場合は、「弱」にして、同じ場所に肌を当て続けないようにしてください。パジャマや薄手の毛布を1枚挟むだけでも違います。
タイマー付きなら、切り忘れの対策になります。今使っている製品にタイマーや自動オフ機能があるか、取扱説明書で確認しておくと安心です。
なお実際の使い方は機種ごとに違います。就寝時に使ってよいか、タイマーがどう働くかは、取扱説明書の記載を優先してください。
電源コードの扱いにも注意点がある
低温やけどのほかに、もうひとつ。電源コードの扱いが原因の発煙・焼損があります。
NITEは次の点を挙げています。
- 電源コードを無理に曲げたり、引っ張ったりしない
- 電源コードを本体に巻き付けない
コードの同じ場所に力がかかり続けると、中の線が傷みます。シーズンの終わりに本体へぐるぐる巻いてしまうのは、やりがちな保管方法ですが避けてください。
電気マットや電気カーペットでは、折り曲げたまま保管したり、しわが寄った状態で使ったりして、ヒーター線が傷む事故も挙げられています。畳んで押し入れに入れるときは、折り目が同じ場所に来ないようにしてください。
あわせて、安全ピンや針を刺すなど、内部のヒーター線を傷つける使い方もしないでください。カバーを留めるつもりでも、中の線に届くことがあります。
よくある質問
つけっぱなしで壊れますか
連続で使うこと自体は想定されています。ただし長く使えばそのぶん寿命は縮みます。使わない時間に切っておけば、製品も長持ちします。
外出中もつけっぱなしで大丈夫ですか
使っていないときは切ってください。電気代よりも、コードの傷みや異常に気づけないことが問題です。部屋に誰もいない状態で長時間動かし続ける使い方は避けたほうが安全です。
洗えますか
洗えるタイプが多くあります。ただしコントローラーを外せる製品に限られます。表示を確認して、洗えると書かれていない製品は洗わないでください。洗濯機で洗える場合も、ネットに入れて弱水流にするのが基本です。
ペットがいる部屋で使っても大丈夫ですか
人が使う電気毛布は、ペット用に作られていません。噛んでコードを傷める危険があります。ペット用の製品を選んでください。
こたつやホットカーペットと、どちらが安いですか
使う範囲が違うので単純には比べられませんが、体だけを温める電気毛布は少ない電力で済みます。ホットカーペットとこたつの比較はホットカーペットの電気代はいくら?に、こたつ本体の選び方はこたつの選び方にまとめています。
エアコンを止めて電気毛布だけにできますか
部屋の温度は上がらないので、起きて活動する時間には向きません。寝るときだけなら成立します。エアコンを弱めに回して電気毛布で補うと、電気代を抑えやすくなります。
まとめ
- 電気代は一晩で約8円、1か月で230〜450円ほど。大きな負担にはなりにくい
- 本体の「75W」は定格。中設定なら実際の消費量はかなり小さくなる
- それでも就寝中はスイッチを切るのが推奨されている。理由は低温やけど
- 「強」の表面温度は50℃を超える製品がある。50℃は2〜3分でやけどになる目安
- 寝る前に温めて、入るときに切る。寒さをやわらげつつ、リスクも下げられる
- 電源コードは本体に巻き付けない。同じ場所に力がかかると中で断線する
電気毛布は、暖房のなかでも少ない電力で体を温められる道具です。やめる理由があるとすれば、電気代ではなく温度のほうでした。
寝る前の30分だけ入れておく。それだけで、布団に入る瞬間の寒さはかなりやわらぎます。

