冬の部屋干しが乾かないのはなぜ?暖房を入れても乾かない理由と除湿機の選び方

冬の部屋干しが乾かないのはなぜ?暖房を入れても乾かない理由と除湿機の選び方 家電

冬の部屋干しは、夏より乾きません。

暖房を入れているのに、朝干した洗濯物が夜になってもまだ湿っている。梅雨のほうがまだましだった気がする。そう感じたことがあるなら、それは気のせいではありません。

冬に乾かないのは、干し方が下手だからではありません。冬の空気そのものが、水分を受け取れる量が少ないからです。

そして厄介なことに、この性質は除湿機の効き方まで変えてしまいます。夏によく効いていた除湿機が、冬になると同じようには働かないことがあります。

この記事では、冬に乾かない理由と、冬の部屋干しで何をすれば乾くようになるかを整理します。

先に結論:冬は気温と風でほとんど決まる

やること 効きめ
洗濯物に風を当てる いちばん確実。道具代も安く済みます
部屋を暖める 効果は大きいが、加湿と組み合わせると台なしになります
除湿機を使う 方式によって冬の強さが変わります
干し方を変える 間隔をあけるだけでも差が出ます

順番としては、まず風、次に温度、そのうえで除湿です。除湿機から考えると遠回りになります。

冬に乾かないのは、空気が水を抱えられないから

洗濯物が乾くというのは、衣類の水分が空気に移っていくということです。

ところが空気には、抱えられる水分の量に限界があります。そしてこの限界は、気温が下がるほど小さくなります。

気温 空気1立方メートルが抱えられる水分の限界
25℃(夏) 約23g
20℃ 約17g
15℃ 約13g
10℃(冬の室内) 約9g
5℃ 約7g

25℃と10℃を比べると、抱えられる量が半分以下になります。

つまり冬は、洗濯物の水分を受け取ってくれる相手のほうが、そもそも小さいということです。洗濯物のまわりの空気がすぐいっぱいになり、そこから先は乾かなくなります。

だから「風を当てる」がいちばん効く

ここまで分かると、対策が見えてきます。

洗濯物のまわりの空気がいっぱいになるなら、その空気を入れ替えればいいということです。風を当てるというのは、水分を吸った空気をどけて、まだ余裕のある空気を運んでくる作業です。

冬に扇風機やサーキュレーターを出すのは季節外れに思えますが、部屋干しに関しては夏より冬のほうが出番があります。

どんなものを選べばいいかはサーキュレーターの選び方とおすすめにまとめています。冬は暖かい空気を循環させるのにも使えるので、1台あると出番が続きます。

暖房を入れても乾かないことがある

「部屋を暖めれば乾くはず」と考えるのは正しいのですが、冬はここに落とし穴があります。

加湿器と同時に使うと、打ち消し合う

冬は空気が乾くので、加湿器を使っている家庭が多いと思います。のどのためにも、肌のためにも理にかなっています。

ただし洗濯物を乾かしたい部屋で加湿器を回すと、その2つは正面からぶつかります。加湿器は空気に水分を足す機械で、洗濯物は空気に水分を渡したい側です。空気がすでに水分でいっぱいなら、洗濯物からは移っていきません。

洗濯物を干している部屋と、加湿したい部屋は分けるのが基本です。同じ部屋でやるなら、干しているあいだは加湿を止めます。

暖房の種類でも変わる

石油ファンヒーターやガスファンヒーターは、燃焼するときに水蒸気を出します。暖めながら加湿もしている状態なので、部屋干しとの相性はあまり良くありません。

エアコンの暖房は水蒸気を出さないので、部屋干しの邪魔をしません。冬に部屋干しするなら、エアコン暖房と風の組み合わせがいちばん素直です。

除湿機は方式によって冬の強さが違う

ここが、冬の部屋干しでいちばん誤解されやすいところです。

除湿機には主に3つの方式があり、冬に強いものと弱いものがはっきり分かれます。

方式 冬の除湿力 電気代 得意な季節
コンプレッサー式 落ちる 安い 梅雨から夏
デシカント式 落ちにくい 高い 冬から春
ハイブリッド式 落ちにくい 中くらい 通年

コンプレッサー式が冬に弱い理由

コンプレッサー式は、空気を冷やして水滴に変える方式です。冷たいコップの表面に水滴がつくのと同じ仕組みで、湿気を取ります。

ところが冬は、元の空気がすでに冷たい。冷やしても結露しにくいので、除湿の効率が落ちます。

夏によく効いていた除湿機が冬に頼りなく感じるとしたら、多くの場合これが理由です。故障ではありません。

デシカント式が冬に強い理由

デシカント式は、乾燥剤に湿気を吸わせて、ヒーターで乾かして再び使うという仕組みです。空気を冷やさないので、気温が低くても除湿力が落ちにくいのが特長です。

ヒーターを使うぶん部屋の温度が少し上がるので、冬の部屋干しでは「乾かす」と「暖める」が同時に進みます。

弱点は電気代です。ヒーターを動かすので消費電力が大きく、コンプレッサー式より高くつきます。夏に使うと部屋が暑くなるという難点もあります。

ハイブリッド式は季節で切り替わる

ハイブリッド式は、この2つを両方積んで季節に応じて自動で使い分けるタイプです。夏はコンプレッサー、冬はデシカントという具合に働きます。

本体価格は高くなりますが、1台で年間を通して使いたいなら選択肢に入ります。各方式の電気代の目安は除湿機の電気代は方式で変わる?で比べています。

ハイブリッド式の実機についてはパナソニック除湿機3機種の違いにまとめました。夏だけでなく冬も使うつもりなら、こちらを見てください。

逆に「冬はエアコンと風でしのぐ、梅雨だけしっかり除湿したい」という使い方なら、コンプレッサー式で十分です。コロナの衣類乾燥除湿機3機種の比較が参考になります。

除湿機がなくてもできること

道具を買わずにできる工夫もあります。冬はこれだけでもかなり変わります。

間隔をあけて干す

洗濯物どうしが近いと、そのあいだの空気が水分でいっぱいになったまま動きません。こぶし1つぶんあけるだけで、乾く速さが変わります。

厚手のものと薄手のものを交互にすると、空気の通り道ができます。

下から風を当てる

洗濯物は下のほうが乾きにくくなります。水分が下に集まるからです。

サーキュレーターを床から斜め上に向けて、洗濯物の下側に当てると効率が上がります。上から当てるより、下から当てたほうが理にかなっています。

浴室を使う

浴室に換気扇があるなら、そこは湿気を外に出す仕組みがすでにある場所です。

入浴後の水気を拭き取ってから干し、換気扇を回します。扉を閉めて空間を狭くすると、暖房乾燥機がなくても意外と乾きます。

脱衣所や廊下に干す

リビングは加湿器を使っていることが多く、人の出入りで温度も変わります。使っていない部屋や廊下のほうが、条件が安定していることがあります。

冬の部屋干しでやりがちな失敗

窓ぎわに干す

日当たりがいいので良さそうに思えますが、冬の窓ぎわは家のなかで最も冷える場所です。夜は特に冷えます。

さらに窓は結露しやすいので、洗濯物が結露に触れて濡れることもあります。冬は窓から離して干すほうが乾きます。

締め切ったまま何時間も放置する

湿気の逃げ場がないと、部屋の湿度が上がったところで止まります。そこから先は、何時間置いても乾きません。

除湿機を使わないなら、ときどき換気して湿った空気を入れ替えます。1回5分でも効果があります。

乾ききる前に取り込む

触って冷たいだけなのか、まだ湿っているのかは分かりにくいものです。生乾きのまましまうと、においの原因になります。

においが出てしまったときの対処は部屋干しの生乾き臭を消すにはにまとめています。

結露とカビにも気をつける

冬の部屋干しには、洗濯物とは別の問題がついてきます。

部屋に干した洗濯物の水分は、消えてなくなるわけではありません。部屋の空気に移り、行き場がなければ冷たい場所で水滴に戻ります。それが窓や壁の結露です。

結露を放っておくと、窓枠やカーテン、壁紙の裏でカビが育ちます。洗濯物は乾いたけれど部屋にカビが出た、というのは冬に起こりやすい失敗です。

だから冬の部屋干しでは、乾かすことと同じくらいその水分をどこへ出すかを考える必要があります。除湿機はタンクに水を集めてくれるので、この点でも意味があります。

結局どうすればいいか

あなたの状況 おすすめの進め方
まず費用をかけずに試したい 干す間隔をあけて、扇風機かサーキュレーターで下から風を当てます
冬だけ乾かなくて困っている デシカント式かハイブリッド式を検討します
梅雨も冬も部屋干しする ハイブリッド式なら1台で通年まかなえます
梅雨がいちばん困る コンプレッサー式で十分です。冬は風と換気でしのぎます
結露やカビも気になる 除湿機で水分を回収する形にします

除湿機を買うべきか、買わなくていいか

ここまで読んで「結局、除湿機は要るのか」と迷っている方もいると思います。線引きをはっきりさせます。

買ったほうがいい人

  • 週に3日以上、部屋干しをしている。冬のあいだずっと続く負担なので、時間で元が取れます
  • 夜に洗濯して朝までに乾かしたい。共働きだと洗濯は夜になり、翌朝には着たい服が乾いている必要があります
  • 家族が多く、一度に干す量が多い。量が増えるほど、風だけでは追いつかなくなります
  • 窓の結露が毎朝ひどい。洗濯物から出た水分が部屋にたまっている状態です。除湿機ならタンクに集められます
  • 北向きの部屋しか干す場所がない

なくても困らない人

  • 部屋干しは週末だけ。時間に余裕があるので、風を当てて半日待てば足ります
  • 浴室乾燥機がある。冬はこちらのほうが確実です。電気代は高めですが、使う頻度が低いなら総額は変わりません
  • ひとり暮らしで洗濯物が少ない。1回の量が少なければ、間隔をあけて干すだけで乾きます
  • すでにサーキュレーターがあり、それで足りている。困っていないなら買う理由はありません

朝の景色が変わるかどうか

冬の朝、リビングに入るとハンガーにかかった洗濯物がまだ湿っている。触ると冷たい。今日着ようと思っていたシャツが乾いていない。

この状況が週に何度も起きているなら、それは干し方の問題ではなく、部屋の空気が水分を受け取りきれていないということです。除湿機はその水分を引き取って、タンクに集めてくれます。

逆に、たまにしか起きないなら、その日は暖房を強めて風を当てれば済みます。頻度で判断してください。

買うなら、どの機種を見るか

冬に強いのはデシカント式とハイブリッド式です。実際の機種で比べたものをまとめています。

梅雨がいちばん困るという方は、コンプレッサー式で足ります。コロナ衣類乾燥除湿機 3機種比較もあわせてご覧ください。

よくある質問

冬でもコンプレッサー式で乾きますか

乾きます。ただし夏より時間はかかります。エアコン暖房で室温を上げてから使うと、効率は改善します。気温が低いほど効率が落ちるという性質なので、部屋を暖めることが対策になります。

エアコンの除湿(ドライ)でも代わりになりますか

機種によります。冷房を弱めた形で除湿するタイプは、冬に使うと部屋が冷えてしまいます。暖房と組み合わせて使えるタイプもあるので、手持ちのエアコンの説明書を確認してください。

浴室乾燥機があれば除湿機は要りませんか

浴室乾燥機があるなら、それが冬にはいちばん確実です。ただし電気代は高めになります。毎日使うなら、除湿機のほうが安く済む場合があります。使う頻度で判断してください。

洗濯物の量が多いときはどうしますか

一度に干す量を減らすのがいちばん効きます。量が多いと、部屋の空気がすぐいっぱいになって全体が乾かなくなります。2回に分けたほうが、結果的に早く終わることがあります。

除湿機は洗濯物のどこに置けばいいですか

洗濯物の真下から風が当たる位置が基本です。離れた場所に置くと、部屋全体の湿度は下がっても洗濯物のまわりの空気は動きません。近づけて、風を当てるのが原則です。

まとめ:冬は空気の入れ替えが勝負

冬に洗濯物が乾かないのは、空気が抱えられる水分の量が、そもそも夏の半分以下だからです。干し方が悪いわけではありません。

やることは3つに整理できます。

  1. 風を当てて、洗濯物のまわりの空気を入れ替えます。いちばん効いて、いちばん安く済みます
  2. 部屋を暖めます。ただし加湿器と同時に使うと打ち消し合うので、干すあいだは止めます
  3. 除湿機を使うなら方式を見ます。冬に強いのはデシカント式とハイブリッド式です

そして忘れやすいのが、洗濯物から出た水分は部屋のどこかへ行くということです。窓や壁で結露してカビになる前に、外へ出すか、除湿機のタンクに集めます。

冬の部屋干しは、乾かす作業であると同時に、家のなかの水分を管理する作業でもあります。そう考えると、やるべきことがはっきりします。

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