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加湿器を使いはじめてしばらくすると、テレビの黒い画面や、その下の棚が白くざらついてきます。拭いても、何日かすると同じところがまた白い。
あるいは、加湿器のフタを開けたら、内側が白くごわごわに固まっていた。
どちらも「加湿器の白い粉」と呼ばれます。ただしこの2つは、原因も対処も別のものです。混ぜて考えると、掃除しても部屋の粉が止まらなかったり、方式を変えたのに本体の内側が白いままだったりします。
先に結論:白い粉は2種類ある
| 部屋に積もる粉 | 本体に固まる粉 | |
|---|---|---|
| どこに出るか | 家具・床・家電の表面 | タンク・フィルター・本体の内側 |
| 出る方式 | ミストを飛ばす方式のとき (超音波式・加熱超音波式) |
どの方式でも |
| 正体 | 水道水のミネラルが空気中へ飛んだもの | 水道水のミネラルが本体側に残ったもの |
| 止め方 | ミストを飛ばさない方式に変える | クエン酸で落とす |
| 掃除で解決するか | 拭いても、また積もる | 落とせる。ただし使えばまた付く |
もとは同じものです。水道水に溶けているカルシウムやマグネシウム。水が蒸発したあとに残る成分です。
違うのは、その成分がどこへ行くかだけです。部屋に飛ぶか、本体に残るか。それを決めているのが加湿の方式です。
家具に積もる粉は、超音波式が出している
超音波式は、水を細かく振動させて霧のまま空気中に飛ばす仕組みです。ミストが目に見えるタイプがこれにあたります。
このとき、水に溶けているミネラルも霧に乗って一緒に飛びます。空気中で水分だけが乾き、残ったミネラルが粉になって落ちてくる。それが家具や床に積もります。
水を蒸気やフィルター経由で送り出す方式では、この現象は起きにくくなります。
- スチーム式:水を沸騰させ、蒸気だけを出す。ミネラルは本体の中に残る
- 気化式:フィルターに水を含ませて風を当てる。ミネラルはフィルターに残る
- ハイブリッド式(温風気化式):気化式に加温を組み合わせたもの。同じくフィルター側に残る
ここで注意が要るのがハイブリッド式です。この呼び名には2つのタイプがあります。
- 温風気化式(気化式+加温):フィルターを通すので、部屋に粉は出にくい
- 加熱超音波式(超音波式+加熱):温めた水をミストにして飛ばすので、粉が出ることがあります
「ハイブリッドだから安心」とは言えません。見るべきは方式の名前ではなく、水をミストのまま飛ばす仕組みかどうかです。ミストが目に見えるなら、その水に溶けていたものも一緒に部屋へ出ています。
販売ページの加湿方式の欄に「加熱超音波式」と書かれていたら、超音波式の仲間だと考えてください。
方式ごとの違いは加湿器の方式はどれがいい?に、電気代とお手入れの手間まで含めてまとめてあります。
本体の内側が白く固まるのは、どの方式でも起きる
タンクの底、フィルター、スチーム式なら加熱皿。ここが白くごわごわしてくるのは、方式に関係なく起こります。
部屋に飛ばない方式は、そのぶんミネラルが本体側に溜まるからです。粉が部屋に出ていないなら、その分はどこかに残っていると考えてください。
パナソニックは加湿フィルターの白い粉について「水道水に含まれるカルキの成分が付着し、フィルターに白い粉がつくことがあります」と説明し、クエン酸で30分程度のつけ置き洗いを案内しています。
つまりこちらは掃除で解決する側です。放っておくと加湿の効きが落ちますが、落とせば戻ります。
積もる粉は、掃除では止まらない
部屋に積もる粉に対して、よく挙がる対策があります。それぞれ効き方が違います。
| 対策 | 効き方 |
|---|---|
| こまめに掃除する | 飛ぶ量は変わらない。積もった粉を拭くだけ |
| 置き場所を家電から離す | 機器への付着は減る。粉自体は出続ける |
| ミネラルの少ない水を使う | 粉は減る。ただし水道水を推奨する機種が多い |
| ミストを飛ばさない方式に変える | 部屋に積もらなくなる |
3つ目について補足します。浄水器の水やミネラルウォーターは、加湿器には使わないでください。塩素が抜けていて雑菌が繁殖しやすくなります。粉を減らすつもりで、別の問題を作ることになります。
拭いても何度も戻ってくるなら、掃除の頻度の問題ではありません。仕組みを見直すほうが近道です。
こびりついた白い固まりは、クエン酸で落とす
本体側の白い固まりは、クエン酸で落とせます。アルカリ性の汚れなので、酸で中和する形です。
ただしやり方は機種によって違います。クエン酸洗浄のコースを持つ機種もあれば、分量と時間を指定している機種もあります。先に取扱説明書を確認してください。洗剤・漂白剤・加湿器用の除菌剤などを自己判断で入れると、部品を傷めることがあります。
- クエン酸を使う:水あかや白い固まりに効く
- 重曹を使う:においやぬめりに効く。白い固まりには効きにくい
白い固まりに重曹を使っても落ちにくいのは、汚れの性質が違うからです。白い固まりならクエン酸と覚えておけば、売り場で迷いません。
放置して固まりが厚くなるほど、落とすのに時間がかかります。シーズン中に月1回を目安にすると、その都度は短く済みます。
家電に付いた粉はどうするか
テレビやパソコンに積もった粉は、乾いた柔らかい布で払うのが基本です。水拭きすると、粉が水に溶けて広がり、乾いたあとに白い跡として残ることがあります。
すでに白い跡になってしまった場合は、その素材に使える方法を確認してから対処してください。テレビやパソコンの画面は特に傷がつきやすいので、メーカーの案内に従うのが確実です。
そして、拭いても加湿器が動いているかぎり、また積もります。掃除は対症療法です。
白い粉が出にくい加湿器を選ぶ
部屋に粉を出しにくい方式は3つあります。それぞれ得意なことが違います。
手入れの手間を減らしたいなら、スチーム式
水を沸かして蒸気にするだけの構造で、フィルターがありません。洗うものが少なく、雑菌も繁殖しにくいのが特徴です。そのかわり、水を沸かすぶん電気を使います。
象印 EE-TB60(スチーム式)
フィルターがなく、上ぶたを開けて直接水を注ぐ構造。木造10畳・プレハブ17畳まで対応します。
EE-TB60のレビューに、旧型EE-TA60との違いと、スチーム式の電気代を書いています。
象印の型番の選び方に、部屋の広さとタンク容量で選ぶ手順をまとめています。
電気代を抑えたいなら、気化式
フィルターに水を含ませ、風を当てて自然に蒸発させます。ヒーターを使わないぶん電気代が低く抑えられます。そのかわり、フィルターの手入れが必要です。
パナソニックの気化式はFE-KX07DとFE-KF07Dの違いで比べています。
加湿の速さも欲しいなら、温風気化式のハイブリッド
気化式に加温を組み合わせた方式です。立ち上がりが速く、部屋が冷えているときも湿度が上がりやすいのが利点です。フィルターの手入れは気化式と同じく必要になります。
仕様や価格は変わることがあります。購入前に販売ページで確認してください。
よくある質問
白い粉は体に悪いものですか
成分は水道水に含まれるミネラルです。特別な薬品ではありません。
ただし、粉が目に見えるほど積もっているなら、それだけの量が空気中に出ているということです。気になる場合は方式の変更を検討してください。持病があって心配なときは、自己判断せず医師に相談してください。
掃除をこまめにすれば、粉は減りますか
本体の中の固まりは減ります。部屋に飛ぶ量は変わりません。超音波式が水ごとミネラルを飛ばす構造は、掃除では変えられないからです。
ミネラルウォーターを使えば出なくなりますか
粉は減りますが、使わないでください。塩素が抜けているため雑菌が繁殖しやすくなります。加湿器には水道水を使ってください。
超音波式でも粉が出ない機種はありますか
フィルターでミネラルを取り除く仕組みを持つ機種もあります。ただしフィルターは消耗品なので、交換の費用と手間が続きます。部屋に積もる粉を避けたいなら、ミストを飛ばさない方式を選ぶほうが手間は少なくなります。
去年より粉が増えた気がします
同じ機種でも、水の硬度が高い地域ほどミネラルが多く、粉も出やすくなります。引っ越しや水源の切り替えで変わることもあります。使い方を変えていないのに増えたなら、水と運転時間を疑ってください。
白い固まりを放置するとどうなりますか
加湿の効きが落ちます。フィルターなら水を吸い上げにくくなり、スチーム式なら加熱皿に厚く付きます。厚くなるほど落とすのに時間がかかるので、シーズン中は月1回を目安にしてください。
まとめ
- 白い粉は2種類。部屋に積もる粉と本体に固まる粉は原因も対処も違う
- 部屋に積もるのは超音波式のとき。掃除では止まらない
- 本体に固まるのはどの方式でも。クエン酸で落ちる
- 飛ばす方式を選んでいるかぎり、拭き取りは追いかけっこになる
- 部屋に粉を出しにくいのはスチーム式・気化式・温風気化式のハイブリッド。同じハイブリッドでも加熱超音波式は粉が出ることがある
拭いても翌朝また白い、という状態が続いているなら、掃除の頻度の問題ではありません。その加湿器が、水をミストのまま飛ばしているからです。
加湿器は動かし続けてはじめて効きます。拭くのが嫌になって使わなくなるくらいなら、粉の出ない方式に変えたほうが、冬のあいだずっと楽になります。
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