加湿器を探していて象印にたどり着く人は多いと思います。フィルターがなく、水を沸かして蒸気にするだけの構造で、手入れが簡単だからです。
ただ、いざ選ぼうとすると型番が並びます。EE-DF50、EE-RU50、EE-FA50、EE-TB60、EE-MB20。しかも最初の3つは、どれも「木造8畳・プレハブ13畳」で、加湿能力も480mL/hと同じ数字が書いてあります。
同じ広さに対応していて、同じ量の水を蒸気にできる。ではなぜ3機種あるのか。公式仕様を並べたところ、タンクの容量と、給水するまでの時間が違いました。
象印の加湿器は、公式ラインアップでは5シリーズ7品番あります。このうち35サイズ(EE-DF35・EE-RU35)は50サイズの小型版なので、この記事では主要な5機種を公式仕様で比べ、型番の読み方と、部屋や使い方に合わせた選び方を整理します。
先に結論:50サイズの3機種は加湿する力が同じ。違うのは水を入れる回数
| 知りたいこと | 答え |
|---|---|
| 型番の数字 | 加湿能力の目安。50なら480mL/h |
| 同じ8畳で3機種ある理由 | タンク容量が違う。3.0L・4.0Lの2種類 |
| いちばん給水が少ないもの | EE-DF50。弱運転で32時間もつ |
| いちばん小さいもの | EE-MB20。デスクまわり向けで2.0kg |
スチーム式は水を沸騰させるため、加湿の力は電気の使い方でほぼ決まります。同じ480mL/hなら、加湿量そのものは変わりません。分かれるのは、水を入れに立つ回数と、置き場所に収まるかどうかです。
型番の数字は加湿能力を表す
EE-DF50 という型番を分解します。
| EE | – | DF | 50 |
| 加湿器 共通 |
シリーズ名 | 加湿能力 480mL/h |
最後の数字が加湿能力の目安です。20なら200mL/h、35なら350mL/h、50なら480mL/h、60なら600mL/h。ここで部屋の広さに合うものを選びます。
真ん中のアルファベットがシリーズ名で、タンク容量や本体の大きさ、デザインが変わります。数字が同じでアルファベットが違う機種は、加湿の力が同じで使い勝手が違うということです。
同じ8畳対応の3機種は、タンクが1L違う
木造8畳・プレハブ13畳に対応する3機種を並べます。
| 項目 | EE-DF50 | EE-RU50 | EE-FA50 |
|---|---|---|---|
| 加湿能力 | 480mL/h | 480mL/h | 480mL/h |
| 適用床面積 (木造/プレハブ) |
8畳/13畳 | 8畳/13畳 | 8畳/13畳 |
| 消費電力(加湿時) | 410W | 410W | 410W |
| タンク容量 | 4.0L | 3.0L | 4.0L |
| 連続加湿時間 | 8h/32h | 6h/24h | 8h以上 公式表記は「長時間加湿8時間以上」 |
| 高さ | 36.5cm | 31.5cm | 37cm |
| 質量 | 2.9kg | 2.4kg | 3.3kg |
象印マホービン公式サイトの製品仕様(2026年8月確認)より。EE-FA50 の連続加湿時間は室温20℃・満水時の公式表記。
加湿能力も適用床面積も消費電力も同じです。違うのはタンクの容量と、そこから来る連続加湿時間、そして本体の高さと重さでした。
EE-RU50 は小さくて軽いぶん、給水が増える
EE-RU50 はタンクが3.0Lで、高さ31.5cm、質量2.4kg。3機種でいちばんコンパクトです。ただし弱運転での連続加湿は24時間で、EE-DF50 の32時間より8時間短い。
弱運転で使い続ける前提だと、EE-DF50 は1日1回の給水で足りますが、EE-RU50 は1日1回では足りない日が出てきます。
EE-FA50 はデザイン重視のシリーズ
EE-FA50 は象印のSTANシリーズに属する機種で、他の2つとは見た目の方向性が違います。タンクは4.0Lですが、質量は3.3kgと3機種でいちばん重い。
置いたときの見え方を優先したいなら候補になります。リビングのように人目に触れる場所で使うなら、この差は意味を持ちます。
連続加湿時間の8時間差は、生活のリズムに効く
数字だけ見ると、24時間も32時間も「1日以上もつ」ように読めます。ただ実際の使い方に当てはめると、意味が変わります。
夜10時に給水して弱運転で寝るとします。32時間もつなら、翌日の夜まで持ちます。24時間なら計算上は翌日の夜10時までです。ただし日中は強めに運転することが多いため、実際には夕方に空になります。
給水の面倒さは、水を入れる場所で決まる
象印のスチーム式は、本体の上ぶたを開けて直接水を注ぐ構造です。タンクを外して運ぶ必要がないぶん楽ですが、そのかわり本体ごと台所へ運ぶか、やかんなどで水を運ぶことになります。
4.0L満水時の本体は、EE-DF50 で本体2.9kgに水4kgが加わって約7kg。持ち上げて運ぶには重い重さです。だから給水回数が少ないほうが、負担は小さくなります。
50サイズの3機種を並べる
| 型番 | 加湿能力 | 適用床面積 木造/プレハブ |
タンク | 加湿時 消費電力 |
質量 |
|---|---|---|---|---|---|
| EE-TB60 | 600mL/h | 10畳/17畳 | 4.0L | 450W | 2.8kg |
| EE-DF50 | 480mL/h | 8畳/13畳 | 4.0L | 410W | 2.9kg |
| EE-RU50 | 480mL/h | 8畳/13畳 | 3.0L | 410W | 2.4kg |
| EE-FA50 | 480mL/h | 8畳/13畳 | 4.0L | 410W | 3.3kg |
| EE-DF35 | 350mL/h | 6畳/10畳 | 3.0L | 305W | 2.7kg |
| EE-RU35 | 350mL/h | 6畳/10畳 | 2.2L | 305W | 2.3kg |
| EE-MB20 | 200mL/h | 3畳/6畳 | 1.8L | 190W 静音134W |
2.0kg |
いちばん小さいEE-MB20は消費電力も低い
EE-MB20 だけ湯沸かし時が650Wで、他の機種の985Wより低くなっています。加湿時も標準190W、静音134W。木造3畳までなので部屋全体は無理ですが、デスクの上や枕元といった限られた範囲を潤すには十分です。
スチーム式は電気で水を沸かすため、加湿能力が上がるほど電気を使います。方式ごとの電気代の違いは加湿器の方式はどれがいい?で計算しています。
「木造8畳・プレハブ13畳」の意味
適用床面積が2つ書いてあるのは、建物によって加湿の効きが変わるためです。木造の和室は隙間が多く湿気が逃げやすいので数字が小さく、プレハブ洋室は気密性が高いので大きくなります。
この数値は日本電機工業会の規格にもとづくもので、室温20℃・湿度30%という条件で測られています。実際の部屋がこの条件より寒ければ、書いてある畳数まで潤わないことがあります。
迷ったときは、ひとつ上の能力を選んでおくと不足しません。加湿しすぎは湿度センサーで止まりますが、能力不足は止めようがないからです。
どれを選ぶか
寝室8畳・給水を1日1回で済ませたい → EE-DF50
タンク4.0L、弱運転32時間。3機種で最も長く持ちます。
置き場所が限られる・出し入れする → EE-RU50
高さ31.5cm、2.4kg。棚に収めたり、季節ごとにしまうなら扱いやすい大きさです。
リビング10畳以上 → EE-TB60
600mL/hで木造10畳・プレハブ17畳まで。静音の弱運転も選べます。
デスクまわりだけ潤したい → EE-MB20
200mL/h、2.0kg。消費電力も低く、机の上に置ける大きさです。
置き場所の制約を先に確認する
スチーム式は熱い蒸気が出るため、置き場所に条件があります。家具や壁から離す、子どもの手が届かない場所にする、といった点です。
置き場所の制約は方式によって変わるので、購入前に確認しておくと失敗しません。実際に寝室で使ったときの置き場所の悩みは、ダイニチ HD-LX1225 のレビューにまとめています。こちらはハイブリッド式ですが、置き場所の考え方は共通します。
口コミに見る、買って良かった声と気になった声
販売サイトなどのレビューを読むと、評価が分かれる点と、おおむね一致する点が見えてきます。件数を数えたものではないので傾向として読んでください。良かった声と気になった声を同じ件数で並べます。
良かった声に多いのは、手入れの簡単さと加湿の力
フィルターがないので手入れがラク。 ポットと同じ構造で、内部をクエン酸で洗うだけという声がよく見られます。フィルター交換の費用も手間もかからない点を評価する声が目立ちます。
加湿の力がはっきり分かる。 他の方式から買い替えた方から、湿度計の数字の上がり方が違うという声が出ています。沸騰させた蒸気を出す方式なので、立ち上がりの速さも語られます。
部屋が少し暖かく感じる。 蒸気が出るぶん、気化式のように室温が下がらないという声が見られます。冬の寝室で使う場面で評価されるポイントです。
水を沸かしてから蒸気にするので気持ちの上で安心。 衛生面が気になる方から、この構造を選んだ理由として挙げられる声が多く見られます。
上ぶたを開けて水を注ぐだけ。 タンクを外して運ぶ必要がなく、給水の動作がシンプルという声が出ています。
気になった声に多いのは、電気代と運転中の音
電気代が気になる。 水を沸かす方式なので、他の方式より電力を使うという指摘が多く見られます。使い方を工夫して抑えたという声もあります。
湯沸かし中の音がする。 ぐつぐつという沸騰音や、蒸気が出るときの音が、静かな寝室では気になったという声が見られます。
加湿されすぎることがある。 効きがよいぶん、設定によっては窓の結露がひどくなったという声が出ています。湿度の設定を下げて使う工夫が語られます。
蒸気が熱いので置き場所を選ぶ。 小さな子どもがいる家庭では、手の届かない場所に置く必要があるという声が見られます。
満水にすると重い。 4.0Lの機種は本体と水で7kg近くになるため、運ぶのが負担という声が出ています。
並べてみると見えること
良かった声は手入れの簡単さと加湿の確実さに、気になった声は電気代と音に集まります。
この2つは同じ仕組みから来ています。水を沸騰させるから、フィルターが要らず、確実に加湿できる。そして電気を使い、音が出る。どちらも切り離せません。
電気代を優先するなら気化式という選択肢があります。ただし手入れはフィルターの洗浄が必要になり、加湿の立ち上がりも遅くなります。方式ごとの違いは加湿器の方式はどれがいい?にまとめています。
象印のスチーム式が向いている人・向かない人
向いている人
- 手入れを簡単に済ませたい。フィルターがなく、ポットと同じ構造です
- 寝室で使いたい。蒸気で加湿するので、気化式のように室温が下がりません
- すぐに湿度を上げたい。沸騰させた蒸気を出すため、立ち上がりが速い方式です
- 雑菌が気になる。水を煮沸してから蒸気にする構造です
向かない人
- 電気代を最優先したい。加湿時410Wは、同じ加湿量クラスの気化式(パナソニック FE-KX07D の強14W)と比べると約29倍です
- 小さな子どもがいて置き場所に不安がある。熱い蒸気が出るため、手が届かない場所に置く必要があります
- 本体を頻繁に動かしたい。満水時は本体と水で7kg近くになります
- 広いリビングをまかないたい。最大のEE-TB60でも木造10畳までです
水を入れに立つ回数で決まる
スチーム式は上ぶたを開けて直接水を注ぐ構造です。タンクを外して運ばなくていいぶん楽ですが、そのかわり本体ごと台所へ運ぶか、やかんで水を運ぶことになります。
夜10時に満水にして弱運転で寝る。EE-DF50なら32時間もつので翌日の夜まで持ちますが、EE-RU50は24時間なので夕方には空になります。1日1回で足りるか、日に2回必要か。この差が毎日続きます。
加湿器は動かし続けてはじめて効きます。給水が面倒で使わなくなるくらいなら、タンクの大きいほうを選んでおくほうが結果的に役に立ちます。
よくある質問
EE-DC50 や EE-DB50 という型番も見かけます
これらは以前のモデルです。公式サイトでは在庫限定品として扱われています。仕様が近い場合は価格を見て選んでよいですが、購入前に加湿能力とタンク容量を確認してください。
スチーム式は電気代が高いと聞きました
水を沸かすため、他の方式より電気を使います。EE-DF50 の加湿時は410Wで、1kWhあたり31円(家電公取協の目安単価)なら1時間あたり約13円です。ただし加湿能力に達したあとは出力が下がるため、常に410Wというわけではありません。
フィルターの交換は必要ですか
象印のスチーム式にはフィルターがありません。ポットと同じ構造で、水を沸かして蒸気を出すだけだからです。そのぶん定期的なクエン酸洗浄が必要になります。
浄水器の水を使ってもいいですか
水道水を使ってください。浄水器の水やミネラルウォーターは塩素が抜けているため、雑菌が繁殖しやすくなります。これはスチーム式に限らず、加湿器に共通する注意点です。
EE-RU50 と EE-DF50、価格が近ければどちらがいいですか
給水の回数で選んでください。EE-DF50 のほうがタンクが1L大きく、弱運転で8時間長くもちます。置き場所に高さの余裕があるなら、給水が少ないほうが日々は楽です。
まとめ:能力で絞って、タンクで決める
象印のスチーム式加湿器を公式仕様で並べると、選び方ははっきりしていました。
- 型番の数字が加湿能力。20・35・50・60の4段階
- 同じ数字なら加湿する力は同じ。部屋の潤い方は変わらない
- 差が出るのはタンク容量と連続加湿時間。EE-DF50は32時間、EE-RU50は24時間
- 本体の高さと重さも変わる。EE-RU50が最もコンパクト
だから、部屋の広さで数字を決めて、そのなかでタンクの大きさを選ぶ。それで終わります。
冬の朝、起きたときに喉がいがらっぽい。あの感覚が軽くなるだけで、1日の始まり方が変わります。加湿器は動かし続けてはじめて効くものなので、続けられるかどうかがいちばん大事です。
給水に立つのが面倒だと感じる人ほど、タンクの大きいものを選んでください。
加湿能力・適用床面積・タンク容量・消費電力・連続加湿時間・外形寸法・質量は、象印マホービン株式会社の公式サイトに掲載されている製品仕様(2026年8月確認)にもとづいています。適用床面積は日本電機工業会規格による基準(室温20℃・湿度30%)です。電気代は1kWhあたり31円で計算した概算です。仕様は変更される場合があるため、購入前に最新の情報をご確認ください。

