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ウォーターサーバーを調べ始めると、途中で「2種類ある」ことに気づきます。
ひとつはボトルが家に届くタイプ。天然水が入った大きなボトルを受け取って、サーバーにセットして使います。長くウォーターサーバーといえばこちらでした。
もうひとつが水道水を自分で注ぐタイプです。本体に浄水フィルターが入っていて、水道水を注ぐときれいにして冷やしてくれます。浄水型と呼ばれます。
どちらを選ぶべきか。金額を比べると答えが出そうに思えますが、実はそこが決め手にならないのがこの比較の難しいところです。
私は浄水型を選んで2か月使っています。宅配水は使っていないので、こちらは公式情報と一般に言われている点をもとに整理します。使っていないものを使ったようには書きません。
同じ会社が両方を出している理由から考える
比較の入口として、面白い事実があります。
私が使っている浄水型サーバーのLoccaは、プレミアムウォーター株式会社が提供しています。この会社は、天然水を届ける宅配水の大手でもあります。つまり同じ会社が、ボトルを届けるサービスと、水道水を注ぐサービスの両方を出しているということです。
これは、どちらかが優れているという話ではないことを示しています。求めているものが違う人に、違う答えを用意しているという構図です。
だから比較のポイントは「どちらが上か」ではなく、「自分が水に何を求めているか」になります。
いちばん大きな違いは、水の中身
先に、いちばん本質的な違いから書きます。
| 項目 | 宅配水 | 浄水型 |
|---|---|---|
| 水の出どころ | 採水地の地下水など | 自宅の水道水 |
| 処理 | 採水して充填(非加熱処理のものもある) | フィルターで不純物を除去 |
| 味の傾向 | 採水地ごとの個性がある | 住んでいる地域の水道水による |
宅配水はその土地の水を運んできたものです。採水地によって味やミネラルの構成が変わります。銘柄を選ぶ楽しみがあるのはこちらです。
浄水型は自宅の水道水がベースです。フィルターでカルキのにおいや不純物を除きますが、もとの水は自分の家の水道水のままです。ミネラル分は残る設計のものが多く、地域による味の差はそのまま残ります。
ここが判断の分かれ目になります。「水そのものにこだわりたい」なら宅配水、「今の水道水を飲めるようにしたい」なら浄水型です。
私の場合は後者でした。カルキのにおいが気になる地域に住んでいて、水道水をそのまま飲む気になれなかった。その不満が消えれば十分だったので、浄水型で足りています。
毎日の手間は、まったく別物になる
ここは日々の暮らしに直結する部分です。
宅配水はボトルの受け取りと交換がある
宅配水の場合、水は定期的にボトルで届きます。この流れで手間が発生します。
- 受け取る。配送日に在宅するか、置き配などの手配が要ります
- 保管する。次に使うボトルを置いておく場所が必要です
- 交換する。空になったらボトルを持ち上げてセットします
- 空ボトルを処理する。回収か、使い捨てなら潰して捨てます
とくに交換は、ボトル1本が7〜12kgあります。本体の上にセットするタイプだと、この重さを胸の高さまで持ち上げることになります。
ある調査では、利用者の半数以上が「水の交換作業」を最大の不満に挙げたという結果もあります。近年は本体の下部にボトルを収める方式も増えていて、この負担は軽くなる方向にあります。
浄水型は給水だけ
浄水型は、本体のタンクに水道水を注ぐだけです。届くものはありません。
私が使っているSlim-RⅡは給水タンクが4Lで、うちは1日1回、3Lほど足しています。夜になるとランプが点くので、寝る前か朝に注ぐのが日課です。
持ち上げるのは3kgほどの水で、床から胸の高さまで上げる必要もありません。かわりに毎日やる必要があります。宅配水なら数日から1週間に1回の交換で済むので、頻度でいえば浄水型のほうが多くなります。
まとめると、こうなります。
| 項目 | 宅配水 | 浄水型 |
|---|---|---|
| 水を足す頻度 | 数日〜1週間に1回 | 1〜2日に1回 |
| 1回の重さ | 7〜12kg | 3〜4kg |
| 受け取り | 必要 | なし |
| ゴミ・空容器 | 回収または廃棄 | なし |
1回が重いか、頻度が多いか。どちらの手間を受け入れるかという選択になります。
料金の考え方が根本的に違う
ここは金額そのものより、何に対して払っているかが違います。
宅配水は「水の量」に払う
宅配水は、届いた水の量に応じた料金です。使えば使うほど注文が増え、支払いも増えます。
プレミアムウォーターの場合、2026年8月時点の公式情報では12Lボトル2本(24L)で月額4,082円(税込)からとなっています。配送料は基本無料ですが、一部の地域では別途かかります。
浄水型は「サーバー」に払う
浄水型は定額です。水道水を使うので、どれだけ飲んでも月額は変わりません(水道代はかかりますが、ごくわずかです)。
Locca Slim-RⅡの場合、2026年8月時点で月額2,900円。これに電気代が月およそ692円、水道代が1日3L使って月24円ほど加わり、合計でおよそ3,616円になります。
同じ量で比べると差が見える
| 1か月に使う量 | 宅配水 | 浄水型 |
|---|---|---|
| 24L(1日0.8L) | およそ4,082円 | およそ3,600円 |
| 48L(1日1.6L) | 注文を倍にする必要がある | およそ3,600円のまま |
| 90L(1日3L) | さらに増える | およそ3,600円のまま |
使う量が少ないうちは大きな差になりませんが、たくさん使うほど浄水型が有利になります。定額なので上限がありません。
逆にいえば、あまり飲まない人にとって浄水型の定額はもったいないということでもあります。月に10Lしか使わないなら、月3,600円は割高です。
宅配水には「ノルマ」という考え方がある
浄水型を使っていて、あとから知って驚いたのがこれでした。
宅配水の多くには注文ノルマがあります。一定期間に最低これだけは注文してください、という決まりです。
プレミアムウォーターの場合、公式には毎月最低1セット(12Lボトル2本)の注文が必要とされています。天然水プランでは60日に24Lが基本で、1か月までは無料で配送をスキップできる仕組みです。
これが意味するのは、飲むペースが遅いとボトルがたまっていくということです。使いきれずに未開封のボトルが部屋の隅に積まれる、というのは宅配水でよく聞く話です。スキップできる会社も多いですが、休止手数料がかかる場合もあります。
浄水型にはこの概念がありません。使っても使わなくても定額です。飲む量が月によって大きく変わる家庭には、浄水型のほうが気楽だと思います。
置き場所は、どちらも考えておく必要がある
サーバー本体の設置場所が要るのは同じです。違うのはボトルの保管場所です。
宅配水は、届いたボトルを次に使うまで置いておく場所が必要になります。12Lボトルが2本、4本と届けば、それなりの面積を取ります。玄関や廊下に置きっぱなしになりやすい部分です。
浄水型はボトルがないので、本体の設置スペースだけで済みます。ただし本体そのものには条件があります。私が使っているSlim-RⅡは幅26cmですが、放熱のため背面と左右に15cmずつ空ける必要があり、実際に必要な幅は56cm以上です。畳やクッションフロア、絨毯、床暖房の上には置けません。
本体の条件は方式に関係なくあるので、ボトルの置き場が余分に要るかどうかが実質的な差になります。
災害への備えは宅配水に分がある
公平のために書いておくと、ここは宅配水が有利です。
宅配水はボトルにストックがあります。停電しても、常温でよければボトルの水はそのまま飲めます。断水したときも、手元にある水を使えます。結果的に非常用の備蓄を兼ねることになります。
浄水型は水道水が前提なので、断水すると使えません。停電すれば冷水も温水も出ません(タンクに残った水は使えます)。
防災の観点を重く見るなら、宅配水を選ぶ理由になります。あるいは浄水型を使いつつ、別に保存水を用意しておく形でも対応できます。
自分はどちらを選ぶべきか
ここまでの違いをまとめます。
| 観点 | 有利なのは |
|---|---|
| 天然水が飲みたい | 宅配水 |
| 災害への備えを兼ねたい | 宅配水 |
| 水を足す頻度を減らしたい | 宅配水 |
| たくさん使う | 浄水型 |
| 重いものを持ちたくない | 浄水型 |
| ボトルの置き場がない | 浄水型 |
| 受け取りの手間をなくしたい | 浄水型 |
| 飲む量が月ごとに変わる | 浄水型 |
宅配水が向いている人
- 水そのものにこだわりたい。採水地や銘柄を選びたい場合はこちらです
- 水道水の質に不安がある。もとの水を変えたいならボトルになります
- 災害の備えを兼ねたい。ストックがそのまま備蓄になります
- 毎日水を足すのが面倒。数日に1回の交換で済みます
- ボトルの保管場所がある
浄水型が向いている人
- 1日2L以上使う。定額なので、使うほど1Lあたりが下がります
- 重いボトルを持ちたくない。給水は3kg前後で済みます
- ボトルを置く場所がない。とくに集合住宅では効きます
- 受け取りが面倒。配送日を気にしなくてよくなります
- ノルマや在庫を管理したくない
- いまの水道水の味だけ直したい。カルキのにおいが主な不満ならこちらで足ります
私が浄水型を選んだのは、下の6つがすべて当てはまったからでした。とくに大きかったのは、水道水のカルキのにおいさえ消えれば十分だったことです。天然水である必要はありませんでした。
Locca(ロッカ)浄水型ウォーターサーバー
水道水を注ぐだけの定額制。卓上型と床置き型から選べます
※料金・キャンペーン内容は時期により変わります。最新の条件は公式ページでご確認ください。
浄水型を2か月使った実際の感想は、Locca Slim-RⅡのレビュー記事で詳しく書いています。動作音や使い始めの味など、気になった点も正直にまとめました。
よくある質問
浄水型の水は、天然水より質が劣るのですか
質という言葉の意味によります。安全性の面では、日本の水道水は水質基準を満たしたもので、浄水型はそこからさらに不純物を除きます。一方、天然水は採水地固有のミネラル構成を持っています。
つまり「安全かどうか」ではなく「どんな水を飲みたいか」の違いです。ミネラルウォーターならではの味わいを求めるなら宅配水、水道水のにおいや不純物が気になるだけなら浄水型で目的は達せられます。
浄水型のフィルター交換は自分でやるのですか
自分で交換します。ただし届くので買いに行く必要はありません。Loccaの場合、カートリッジは総ろ過水量900L、1日3.3L使う場合で9か月に1回が目安です。交換用カートリッジの代金は月額に含まれるプランがあります。
宅配水から浄水型に乗り換えられますか
会社によっては乗り換えのキャンペーンを用意しています。ただしもとの契約に最低利用期間が残っていると解約金が発生する場合があるので、乗り換え前に契約期間を確認してください。
浄水型でも契約期間の縛りはありますか
あります。Loccaの場合、Slim-RⅡの基本プランは5年契約で、1年未満に解約すると50,000円の解約金がかかります。以降は1年ごとに下がり、5年経つと0円になります。方式にかかわらず、契約期間と解約金は申し込み前に必ず確認すべき項目です。
ポット型の浄水器とはどう違いますか
ポット型は冷蔵庫で冷やすタイプで、費用はさらに抑えられます。ただし継ぎ足すと全体がぬるくなる、お湯が出ない、といった違いがあります。ポット型浄水器と浄水型ウォーターサーバーの比較で詳しく書いています。
まとめ:金額ではなく「水に何を求めるか」で決まる
この2つは、金額で優劣がつく関係ではありませんでした。
同じ量なら浄水型のほうが安く収まりますが、宅配水はそもそも運んでくる水が違います。水道水を飲めるようにしたいのか、別の水を飲みたいのか。ここが最初の分かれ目です。
判断の順番はこうなります。
- 天然水である必要があるか。あるなら宅配水一択です
- 1か月にどれくらい使うか。多いほど浄水型の定額が効いてきます
- ボトルを受け取って置いておけるか。難しいなら浄水型です
- 災害の備えを兼ねたいか。兼ねたいなら宅配水、別に保存水を持つなら浄水型でも構いません
私は1番が「必要ない」だったので、そこで浄水型に決まりました。カルキのにおいさえ消えれば、水道水のままで十分だったからです。
逆に、水そのものを変えたい方には浄水型は答えになりません。同じ会社が両方を出しているのは、そういうことだと思います。
Locca(ロッカ)浄水型ウォーターサーバー
卓上型 litta / 床置き型 Slim-RⅡ / 高機能 Locca Smart の3機種
※記事内の料金・仕様は2026年8月時点の各社公式サイトの記載に基づいています。最新の条件は公式ページでご確認ください。

