コロナの石油ファンヒーターを買おうとして、型番の一覧を見ると手が止まります。
FH-VX3625BY と FH-VX3624BY。1文字違いの型番が並んでいて、価格だけが違う。どちらを買えばいいのか分かりません。
結論から書きます。この2つは、数値で表される仕様が1項目も違いません。暖房出力も、適用畳数も、タンク容量も、消費電力も、サイズも、重さもすべて同じです。
違うのは消臭機能の世代だけです。この記事では、公式仕様を並べて何が同じで何が違うのかを確認し、どちらを選ぶべきかを整理します。
先に結論:においが特に気になる人以外は、旧型で足ります
| あなたの状況 | 選ぶべきモデル |
|---|---|
| 価格を抑えたい | FH-VX3624BY(2024年モデル) |
| 仕様にこだわりがない | FH-VX3624BY(2024年モデル) |
| 点火時のにおいが気になる | FH-VX3625BY(2025年モデル) |
| 旧型の在庫がもうない | FH-VX3625BY(2025年モデル) |
石油ファンヒーターは、型番の下2桁が発売年を表します。25なら2025年モデル、24なら2024年モデルです。毎年少しずつ改良されますが、基本性能が大きく変わることは多くありません。
公式の仕様を並べると、数値は完全に一致する
コロナの公式サイトに掲載されている仕様を、そのまま並べます。
| 項目 | FH-VX3625BY(2025) | FH-VX3624BY(2024) |
|---|---|---|
| 暖房出力 | 3.60〜0.59kW | 3.60〜0.59kW |
| 適用畳数(木造) | 10畳(16.5m²) | 10畳(16.5m²) |
| 適用畳数(コンクリート) | 13畳(21.5m²) | 13畳(21.5m²) |
| タンク容量 | 7.2L | 7.2L |
| 消費電力(弱燃焼時) | 4W | 4W |
| 消費電力(強燃焼時) | 9.5W | 9.5W |
| 外形寸法 | 高さ466×幅458×奥行334mm | 高さ466×幅458×奥行334mm |
| 質量 | 12.0kg | 12.0kg |
| 消臭機能 | プレミアム消臭「極」プラス | プレミアム消臭「極」 |
数値で表される項目は、1つも違いません。暖まり方も、灯油の減り方も、置き場所に必要なスペースも、持ち上げたときの重さも同じです。
唯一の違いは、においの抑え方
変わったのは消臭機能の世代です。2024年モデルの「プレミアム消臭『極』」が、2025年モデルでは「プレミアム消臭『極』プラス」になりました。
コロナ公式は「極」プラスについて、点火時と消火時のにおいを抑えると説明しています。数値での改善幅は公式に明記がないため、体感の差として捉えるのが妥当です。
この差をどう考えるか
石油ファンヒーターのにおいは、主に点火と消火のときに出ます。燃焼中はほとんど気になりません。
つまりこの違いは、1日に数回ある点火と消火の瞬間に効くものです。1日中つけっぱなしにする使い方なら、点火は朝の1回だけかもしれません。逆に、こまめにオンオフする使い方なら、その差を感じる場面は増えます。
においに敏感な人、リビングと寝室で兼用する人、小さな子どもがいる家庭では、新型を選ぶ意味があります。そうでなければ、価格差のぶんだけ旧型が有利です。
電気代の話:石油ファンヒーターなのに電気を使う
意外と知られていませんが、石油ファンヒーターは電気も使います。灯油を燃やすだけの機械ではありません。
点火のためのヒーター、灯油を送るポンプ、温風を送るファン、制御基板。これらすべてが電気で動いています。
実際の消費電力は驚くほど小さい
ただし、その電気代は他の暖房器具と比べるとかなり小さくなります。
| 運転状態 | 消費電力 | 1時間の電気代の目安 |
|---|---|---|
| 弱燃焼時 | 4W | 約0.1円 |
| 強燃焼時 | 9.5W | 約0.3円 |
| 点火時(数十秒間) | 平均80〜100W | 点火のたびに発生 |
| 待機時 | 0.6〜0.8W | ごくわずか |
※1kWhあたり31円(家電公取協の目安単価)で計算した目安です。
燃焼中の消費電力は4〜9.5W。これはLED電球1個ぶんに近い水準です。エアコン暖房が600W前後、オイルヒーターが1,200W前後であることを考えると、桁が2つ違います。
コロナは公式に「4年前の機種と比べて1シーズンの電気代を約50%削減」「業界No.1の低消費電力」(2024年5月現在、WZ・VXシリーズ3.6・4.6kWタイプ)と発表しています。DCモーターの採用が効いています。
ただし灯油代は別にかかる
電気代が安いからといって、総額が安いわけではありません。本体のコストは灯油代です。
灯油の価格は年によって大きく変動します。シーズンのはじめに価格を確認してから、その年の暖房計画を立てるのが現実的です。
他の暖房器具との比べ方は、暖房器具の電気代はどれが安い?にまとめています。エアコンだけ仕組みが違うので、単純に消費電力で比べられないという話です。
点火の速さは、使い勝手を大きく変える
VXシリーズには「秒速点火」機能があります。点火までの待ち時間を短くする仕組みです。
ただし、この機能をオンにしていると待機中に平均80〜100Wを消費します。すぐ暖まる代わりに、待っているあいだの電気を使うということです。
朝の忙しい時間に使うなら、この機能は価値があります。一方で、つけっぱなしで使う日が多いなら、オフにしておくほうが電気代は下がります。
VXシリーズと上位のWZシリーズの違い
コロナの石油ファンヒーターには、VXシリーズの上にWZシリーズがあります。
| 項目 | VXシリーズ | WZシリーズ |
|---|---|---|
| 消臭 | 消臭シャッター+プレミアム消臭「極」プラス | プレミアム消臭「極」プラス |
| 暖房出力(3.6kW型) | 3.60〜0.59kW | 3.60〜0.59kW |
| タンク容量 | 7.2L | 7.2L |
| 奥行 | 334mm | 338mm |
| 質量(3.6kW型) | 12.0kg | 11.8kg |
暖房性能はほぼ同じです。違いは消臭の仕組みで、VXシリーズには消臭シャッターが付いています。消火後のにおいを閉じ込める仕組みです。
消火後のにおいまで抑えたいならVX、本体の軽さ(11.8kg/VXは12.0kg)と弱燃焼時の静かさ(19dB/VXは20dB)を優先するならWZという選び方になります。燃焼中の消費電力は両シリーズとも弱4W・強9.5Wで同じです。
畳数の選び方は、木造かコンクリートかで変わる
石油ファンヒーターのカタログには、適用畳数が2つ書かれています。
木造10畳/コンクリート13畳
木造のほうが数字が小さいのは、隙間が多く熱が逃げやすいからです。コンクリート(マンションなど)は気密性が高いので、同じ出力でより広い部屋をまかなえます。
自分の家がどちらに近いかで、見るべき数字が変わります。築年数の経った木造戸建てなら木造側の数字、マンションならコンクリート側の数字で判断してください。
VXシリーズには複数の出力があります。
| 型番 | 暖房出力 | 木造/コンクリート |
|---|---|---|
| FH-VX3625BY | 3.60kW | 10畳/13畳 |
| FH-VX4625BY | 4.62kW | 12畳/17畳 |
| FH-VX5725BY | 5.65kW | 15畳/20畳 |
| FH-VX6725BY | 6.65kW | 17畳/24畳 |
| FH-VX7325BY | 7.25kW | 19畳/26畳 |
大型の6.65kW・7.25kWタイプは、消費電力が上がります(弱12W/強28〜29W)。小型の4〜9.5Wと比べると3倍前後です。広い部屋向けなので当然ですが、選ぶときは意識しておく点です。
買う前に確認しておきたいこと
灯油を買いに行く手間は続く
石油ファンヒーターの最大の負担は、本体価格でも電気代でもありません。灯油の調達です。
タンク容量7.2Lは、強燃焼で使えば1日でなくなることもあります。ポリタンクを車に積んでスタンドへ行き、給油して持ち帰り、本体に補給する。この往復がシーズン中ずっと続きます。
車がない場合や、階段のある建物に住んでいる場合は、この負担が大きくなります。買う前に、灯油の入手経路を具体的に想像しておいてください。
換気が必要になる
燃焼する暖房器具なので、定期的な換気が必要です。1時間に1〜2回、数分間の換気が一般的な目安とされています。
換気のたびに部屋が冷えるので、実際の効率は数字ほどよくありません。ここはエアコン暖房との大きな違いです。
部屋干しをしているなら注意
燃焼時には水蒸気が発生します。暖房と加湿を同時にしている状態になるので、洗濯物が乾きにくくなります。
冬に部屋干しをしている家庭では、この点が効いてきます。乾かし方の考え方は部屋干しの生乾き臭を消すにはにまとめています。
シーズン終わりの灯油処理
春に使い終わったあと、タンクと本体に残った灯油を抜く作業が必要です。古い灯油を翌シーズンに持ち越すと、故障や不完全燃焼の原因になります。
この作業を毎年やることになるので、購入前に手順を確認しておくと後悔が減ります。
向いている人・向かない人
向いている人
- 寒冷地に住んでいる。エアコン暖房は外気温が下がると効率が落ちますが、燃焼式は影響を受けません
- 広い部屋を短時間で暖めたい。立ち上がりの速さは燃焼式の強みです
- 灯油を買いに行ける環境がある。車がある、近くにスタンドがある
- 電気代を抑えたい。燃焼中は4〜9.5Wしか使いません
向かない人
- 灯油の調達が負担になる。ここが続かないと使わなくなります
- 換気をこまめにできない。安全に関わる部分です
- 部屋干しを併用したい。水蒸気が出るので乾きにくくなります
- 小さな子どもがいて目を離す時間が長い。本体が高温になります
口コミに見る、買って良かった声と気になった声
ネット上の口コミを調べると、評価が分かれる点と、おおむね一致する点が見えてきます。良かった声と気になった声を同じ件数で並べます。
良かった声に多いのは、暖まりの速さとにおいの少なさ
スイッチを入れてすぐ温風が出る。 朝の支度を始めるころには足元が暖かくなっているという声がよく見られます。エアコンの立ち上がりを待つ時間と比べて評価されるポイントです。
においがほとんど気にならない。 以前使っていた古い機種とは別物だったという声が目立ちます。点火時と消火時の消臭機能が効いているという受け止めが多く見られます。
エコ運転にすると灯油の減りがゆるやか。 一度の給油でしばらく持つという声がよく出ています。設定温度に達したあと自動で出力を落とす動きが、燃費の実感につながっているようです。
運転音が静か。 テレビの音を上げなくて済むという声が見られます。就寝前のリビングでも会話の邪魔になりにくいというトーンが共通します。
消火時にシャッターが閉まる。 においが部屋に残りにくいという声が出ています。消したあとの数十秒を気にする方には効く機能です。
給油で手が汚れにくい。 タンクの口の構造のおかげで、灯油が指につきにくかったという声が見られます。
気になった声に多いのは、燃料を扱う手間と操作
灯油を買い、運び、入れる手間はやはりある。 暖房性能とは別のところで負担を感じるという声が一定数あります。機種を変えても解消しない部分です。
一定時間で自動的に消える。 安全のための仕様ですが、使い続けたいときは延長の操作が要るという声が見られます。
リモコンが欲しい場合は上位シリーズになる。 このシリーズには付属しないため、離れた場所から操作したい方には物足りないという声が出ています。
燃料費が別にかかる。 運転中の消費電力が小さいことと、総額が安いことは別だという指摘が見られます。
灯油の保管場所が要る。 ポリタンクを置く場所を確保できるかどうかが前提になるという声があります。
点火までに少し時間がかかる場面もある。 秒速点火を切っている状態や、気温が低い日には差を感じたという声が見られます。
並べてみると見えること
良かった声と気になった声を並べてみると、暖房性能そのものへの不満はほとんど見当たらないことが分かります。速く暖まること、においが抑えられていること、灯油の持ちがよいことは共通して評価されています。
一方で不満として挙がるのは、暖房の性能ではなく灯油という燃料を扱う手間に関することです。ここは新型でも旧型でも変わりません。石油ファンヒーターを選ぶかどうかの段階で判断する部分になります。
買う前に知っておきたい3つのこと
1. においが出るのは、点火と消火の前後
石油ファンヒーターのにおいが立ちやすいのは、運転中ではなく点火した直後と消火した直後です。スイッチを切って部屋を出ようとしたとき、あの独特のにおいがふわりと広がる。
新旧の差はこの一点に集約されます。2025年モデルはプレミアム消臭「極」プラス、2024年モデルはプレミアム消臭「極」。世代がひとつ違います。
朝、出かける前に消して玄関へ向かうまでの数十秒。夜、寝る前に消して寝室へ移動するとき。この瞬間が気になるかどうかで、新旧のどちらを選ぶかが決まります。
2. 自動消火までの時間と、延長の操作
安全のため、一定時間が過ぎると自動で消える仕組みになっています。使い続けたいときは延長の操作が要ります。
つけっぱなしを前提にしている方には手間に感じられますが、消し忘れ防止という意味では利点でもあります。リモコンで操作したい場合は、上位シリーズを検討することになります。
3. 電気代が安くても、灯油代は別
この機種の燃焼中の消費電力は弱4W・強9.5Wと、暖房器具としては極端に低い数値です。ただしこれは電気の話だけです。
実際にかかる費用は灯油代が中心になります。灯油価格は年によって大きく変わるため、「電気代が安い=総額が安い」とは限りません。エアコンとの比較は暖房器具の電気代はどれが安い?で燃料代も含めて整理しています。
新型と旧型、どちらを選ぶか
旧型(FH-VX3624BY)で十分な人
- 石油ファンヒーターを使うのが初めて。消臭機能の世代差は、比べる対象がなければ気づきにくい部分です
- リビングなど広い空間で使う。においは空間が広いほど薄まります
- 換気をこまめにする習慣がある
- 価格差を別のものに回したい。暖房性能は完全に同じです
新型(FH-VX3625BY)を選ぶ理由がある人
- においに敏感、または家族に敏感な人がいる
- リビングと寝室がつながっている間取り。消火時のにおいが寝室まで流れます
- 1日に何度もつけたり消したりする。においが出るのは点火と消火の瞬間なので、回数が多いほど差が出ます
- 小さな子どもやペットがいる
気にならないなら旧型で構いません。暖まり方も、灯油の減り方も、運転音も、寸法も、数値では1項目も違わないからです。
よくある質問
結局、新型と旧型どちらを買えばいいですか
数値で表される仕様は完全に同じなので、価格差で判断して問題ありません。消臭機能が新しい世代になった点に価値を感じるかどうかです。コロナは点火時と消火時のニオイを抑えると説明していますが、どれだけ減るかを数値では公表していません。旧型の在庫が残っていて安いなら、それが合理的な選択になります。
石油ファンヒーターは電気代がかからないと聞きました
燃焼中の消費電力は4〜9.5Wと非常に小さいので、その理解でほぼ合っています。ただし灯油代は別にかかります。また、秒速点火をオンにしていると待機中に80〜100Wを消費します。
エアコンと石油ファンヒーター、どちらが安いですか
電気代だけを見れば石油ファンヒーターですが、灯油代を含めた総額は、その年の灯油価格しだいです。エアコンは外の熱を運ぶ仕組みなので効率が高い一方、寒冷地では効率が落ちます。詳しくは暖房器具の電気代はどれが安い?で比較しています。
木造10畳と書いてありますが、8畳の部屋には大きすぎますか
問題ありません。適用畳数は「これ以下の広さなら暖められる」という目安です。余裕がある分には、弱い出力で運転すればいいだけです。むしろ小さすぎる機種を選ぶと、常に強運転になって灯油の消費が増えます。
VXとWZはどちらを選ぶべきですか
暖房性能はほぼ同じです。VXには消臭シャッターが付いていて、消火後のにおいを抑えられます。消火後のにおいまで抑えたいならVX、本体が0.2kg軽く弱燃焼時が1dB静かなWZ、という選び方になります。燃焼中の消費電力は両シリーズとも同じです。
まとめ:型番の下2桁は発売年
コロナの石油ファンヒーターを選ぶときのポイントを整理します。
- 型番の下2桁が発売年。25なら2025年、24なら2024年モデルです
- FH-VX3625BY と FH-VX3624BY は、数値で表される仕様が完全に同じ。違いは消臭機能の世代だけです
- 消臭機能の世代が新しくなった点に価値を感じなければ、旧型で足ります
- 畳数は木造かコンクリートかで見る数字が変わります
- 電気代は非常に安い(4〜9.5W)が、灯油代と調達の手間は別です
石油ファンヒーターは、暖房性能で言えば完成された家電です。毎年のモデルチェンジは、消臭や省エネの細かな改良が中心になります。
だからこそ、新しいほうがいいとは限りません。自分にとって必要な改良かどうかを見て、価格と釣り合うほうを選んでください。
出典
株式会社コロナ 公式サイト「石油ファンヒーター VXシリーズ/WZシリーズ 製品詳細」
https://www.corona.co.jp/heating/fanheater/vx/lineup.html
本記事の仕様は、コロナ公式サイトの掲載値(2026年8月時点)にもとづいています。価格や在庫は変動します。実際の購入前には、最新の製品情報と取扱説明書をご確認ください。

